文書作成日:2023/09/10



 源泉徴収が10月1日以後不要となる配当等があると聞きました。どのような配当等が該当しますか?

出演:  … M社 経理部部長   … 顧問税理士



― M社 ―

M社経理部古門部長と顧問税理士が、打ち合わせをしています。




 そろそろ子会社の決算がありますので、利益の最終着地や配当の支払について検討しているのですが。




 そうでしたね。
 9月末決算法人でしたね。




 まあ、100%親会社である弊社が子会社設立以降、株を持ち続けていますので、株主に対する“配慮”は不要なのですが。
 今期で設立10周年ということで、記念配当もオンして期末配当をしようかと、どの程度配当できるかを試算しています。




 そうでしたか。
 9月末決算法人ですと、配当確定日は、11月の株主総会決議日ですね。




 そうですね。




 そうしますと、配当等に対する源泉徴収は不要ですね。




 え?
 不要なのですか?




 はい。
 2023年10月1日以後に支払うべき配当等については、令和4年度税制改正で改正されました。
 具体的には、いわゆる完全子法人株式等や関連法人株式等に相当する株式等に係る配当等については、源泉徴収が不要になりました。




 法人税が課税されないからですかね?




 ご理解のとおりです。
 源泉徴収制度は、税金の前払いであり確定申告を通じて精算する趣旨があります。法人税の計算上、原則として配当等の全額が益金不算入となるような配当等については、このような趣旨などを考慮し、源泉徴収を不要とすることとされました。




 まあ、そうですよね。
 最終的に課税されないのに、前もって税金を徴収するのはおかしいですよね。




 そうですね。
 会計検査院が調査したところ、一定期間内の還付金が89百億円弱だとか、還付加算金が3億7千万円弱だとかいわれていましたからね。




 割とえげつない数字ですね。




 そうですね。
 これだけあることによる税務署の事務負担や、還付加算金の多さも改正の意図として入っているのでしょうね。




 まあ、弊社としては、今度の支払分から源泉徴収不要にすればいい、ということですね。




 そうですね。
 御社は自己名義分のみで完全子法人株式等を保有し続けていますから、不要で大丈夫です。




 自己名義でなければ該当しないということですか?




 そうなります。
 今回の改正の対象は、例えば完全子法人株式等に該当する株式等であっても、自己名義分のみで該当する場合に限られています。この点は、法人税での取扱いとは異なりますね。
 関連法人株式等の場合も自己名義分のみに限られますし、保有割合の判定についても「基準日等」の一時点で判定する点が異なります。




 微妙に違うんですね。




 そうですね。
 源泉徴収する側が判定することになりますので、判定しやすくするための配慮ともいえますね。




 完全なイコール(=)ってことではない、ということですね。




 ご理解のとおりです。
 細かな点ではあるものの、気をつけたいところですね。


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
  本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。


▲このページのトップへ戻る